2019/09/28

ここは軽井沢の RATTA RATTARR (ラタラッタル) DESIGN&CRAFTS。
おしゃれな北欧風の店内には色鮮やかなスカーフ、子供服、インテリアなどが美しくディスプレイされている。




今回の旅のお目当ては、デザインブランド RATTA RATTARR の事業を展開されている就労支援センターひゅーまにあ軽井沢さんへの訪問だ。
そのきっかけは、以前一般社団法人ちいさなありがとう基金のメンバーの一人がとあるお店で偶然出会った RATTA RATTARR の商品だった。
彼女はそれが障がいのある方が携わった商品とは知らずに、美しい色彩や個性的な柄の洗練された商品に目を引かれたと、購入してきてくれた。
それらを見て、私たちは自分づかいはもちろん、プレゼントやお世話になった方へのお礼にもいいねと話し合った。
就労支援センターひゅーまにあ軽井沢は、ノーマライゼーション型社会の実現を目指す(株)チャレンジドジャパンによって運営されている。
ここのアトリエで生まれたクリエイター(障がいをもつアーティストの呼称)の作品は、スウェーデンの Design & Art スタジオ FORM VERKSTAN の協賛を得て商品化される。
訪れた私たちを出迎えてくださったのはサービス管理責任者の樋口さん。
まずは店舗の裏にあるアトリエへお邪魔した。
個性の光るデザイン(柄)の数々は、ここで30名ほどのクリエイターと、クリエイターに寄り添うアトリエスタ(支援員)の皆さんによって生み出される。
居心地の良い空間には大きな作業テーブルと、本格的なデザインの道具類が所せましと取り揃えられている。


「ここではクリエイターの著作権保護の手続きも大切にしています。」と樋口さん。
障がい者が自立して生活できるためには安定した収入が不可欠だ。
そのために様々な可能性を探り試みているとお話しくださった。
奥の部屋にはスウェーデンから取り寄せたという織機が並ぶ。
製作中の美しい割き織りの敷物がかかっている。
敷物は評判がよく、生産が間に合わない程だという。


中庭に出ると、カフェ兼ギャラリーの Café Ars Gallery がある。大きな窓から光がたくさん射し込むしゃれた空間は、展示スペースになる他、平日はクリエイターやスタッフの皆さんがランチを摂る食堂に、週末は誰でもお茶やランチをいただけるカフェになる。



RATTA RATTARR は2018年には、デザイン界のアカデミー賞とも称される ELLE DECO International Design Awards (EDIDA) より、社会貢献度の高いプロジェクトに贈られる Japanese Social Design Project を受賞している。

今回の見学を通して、そこには障がいを持つクリエイターの皆さんの得意を生かす仕組みがあると感じた。
これからの社会にはこういうインクルーシブな方向性の変化が増えていく予感がする。
その先には競争ではなく、人々がそれぞれの特徴を認め活かしあう共生社会が見えてくる。
“「障がい者が作った物だから選ぶ」ではなく「本当に良いものは良い」と感じてもらわなければ、彼ら独自の力を活かしていることにはならないのです。“(RATTA RATTARR HPより)https://ch-j.jp/rattarattarr/
https://rattarattarr.com/